たくわん漬けでお馴染みの沢庵和尚が『結縄集』で面白いことを書いていたので下記にご紹介します。
沢庵和尚は江戸時代の名僧として、禅道の極意を以って武道の極意を説いた最初の人です。禅と武道とを結びつけて武術に魂を吹き込んだ最初の人です。
沢庵和尚が柳生但馬守に書いて与えた剣道極意の書に『不動智神妙録』があります。
その道に達した人の言葉には、言われぬ味わいのあるものである。
或る人が或る画家を褒めて、「あれほどの虎の上手は世の中にはあるまい。あの画家は実物の虎を見て写生したというのではないか」と言った。
それを(長谷川)等伯と言う絵の名人が聞いて言うには、「実物を写したからと言って、その絵がよいとは限らない。我が左の手を右の手で写生したからと言って、下手に描いたら手には似ないであろう。実物を写す、写さないは問題ではない。要は筆力の如何にあるのだ」と言ったそうな。
味わうべき言葉ではないか。
………もしかして、写生も気分の問題なのでしょうか? 即ち遠方まで態々苦労して取材やスケッチに行かなくても、写真からでも筆力さえあればOKなのでしょうか? 試みに私も早速ながら左手をデッサンしましたが、案の定下手でした。(了)
2007年11月26日
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