2010年04月16日

和紙について part 1

書画から建築にいたるまで、日本の生活文化を支え続けた素材に、紙がある。
飛鳥時代に中国より伝来した製紙法は、その後独自の発展をとげ、各地に紙の産地が興隆する。
江戸時代に劇的な発展とげた出版文化もまた、大量の紙の安定供給が実現して、はじめてその活動が保証されたといえよう。
明治以降は、西洋の製紙法の普及によって、産業としての縮小・衰退を余儀なくされたが、「和紙」という呼称とともに、伝統文化を支え続け、また近年の「エコ・ブーム」や伝統産業の見直しとともに、再び静かな脚光を浴びるようになってきている。

01三椏の花.jpg
そんな和紙。
実は、その原料のほとんどが、今では、安価な海外産に依存しているということをご存知だろうか。
和紙には、主に楮(こうぞ)、三椏(みつまた)などの樹皮が使われるが、例えば、楮はタイ、三椏は中国から輸入されるものが主流だ。個人で購入するとき、タイ楮はだいたいキロ1000円前後なのだが、国産ともなれば、価格はその3倍に跳ね上がる。
同じようなことは、漆器にも言え、使われる漆のほとんどが、やはり中国産だ。たとえ品種が同じであっても、植物の育つ風土によって、仕上がりの品質や風合いは様変わりしてしまう。日本の伝統文化は、素材や原料というその根底から危機に直面しているといっても過言ではないだろう。

02工房内.jpg
では和紙は、どのように生産されるのだろう……、
そんな疑問を抱くようになって、よく埼玉県の小川町を訪れるようになった。
ここは古くからの紙の産地として知られ、江戸近隣の和紙需要を支えてきた。特産の楮紙「細川紙」は、国の無形重要文化財にも指定されている。
東武東上線、JR八高線の小川町駅を出てしばらく行けば、昔ながらの商家や土蔵もいまだ多く残り、和紙生産で栄えた往時を偲ぶことができる。
そうして歩くこと10分。昭和初期のモダンな木造棟屋が魅力的な「小川町和紙体験学習センター」にたどりつく。
この施設は戦前からの県の製紙工業試験場跡に開設されたもので、和紙技術を継承保存し、その研究と普及に努めている。
さらに近隣に自前の楮畑をもち、その栽培、収穫から紙料作りまで行っており、機会があれば参加することができるのだ。
次回、ここで体験した紙作りのレポートをお送りしたい(続)

makoto suzuki


posted by ART BOX at 17:54| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ■スタッフの日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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