写真は国立国会図書館・東京本館の敷地内にある「Pause」という作品です。
この作品は、その前を通らないと図書館に入れないという、この上なく幸せな場所に設置されています。そんな数多くの視線に晒されているにも関わらず、誰も近寄らない彫刻はちょっと淋しげで、「となりに座ってよ」と言われているような気がしたので、通行人の視線を気にしつつとりあえず隣に座ってきました。日本三景の宮城県・松島に行ったときにも、お茶屋の軒先に松尾芭蕉の同じような人形があり、座ってあげないとかわいそうな気がして、やっぱり隣に座ってきました。
観光地でおなじみの「顔ハメ看板」、あれに顔をはめて撮影するマニアがいるそうです。
それだけではなんだか不完全で滑稽で、人が関わることで完成するもの。そこには、もうひとつの特徴があると思います。「いやー、いい大人が恥ずかしいでしょ」「ちょっとやっとく?(ドキドキ)」「イエーイ!早く写真撮って!(まったくバカだねえ…笑)」という感情再生装置としての機能です。
ドラマが大好きな私は、このように人の感情を掻き立てる作品が大好きです。最近増え始め昨年の新制作展などでも見られた「触る絵画」、横浜トリエンナーレに出展されていた「聞こえるインスタレーション」、視覚障害者と暗闇を探索する「ダイアローグインザダーク」。緊張する、心がざわざわする、感覚が研ぎ澄まされる…そんな、自分が体感した作品やイベントは、その時の感情とともに忘れがたく印象に残ります。
もしかしたら、五感に直に訴えてくる短絡さに、素敵な作品だと錯覚をしているだけかもしれません。それでも、人との交流を求め、人の感情を揺さぶることができている点で、それらは素晴らしい作品だと思うのです。
C・S
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